基和戸/キーワード

私たちのコアバリュー①

「全てはメンバーさんの笑顔のために」 利用者と支援者が1対1の割合の中で、一人ひとりを大切に、個別支援をしていくということ

私たちは障がいのある利用者さんのことを「メンバー」と呼んでいます。メンバーさんは日々、実にいろいろな表情をされます。その様子の中には笑顔もあります。
散歩に行って風の音を聞きながらほほえまれる笑顔。好きなDVDを観てフフッとこぼれる笑顔。一人何を想うかニヤッとされる笑顔。私たちはそうした笑顔がどれも好きです。
そばにいて、その瞬間を一緒に過ごせるなら、幸せな気持ちが自然と湧いてくるものです。職員は、そんな場面を少しでも創出したくて、美味しいものを準備したり、心地よいスペースを考えてみたり、遠くキャンプや旅行にお連れしたりもします。

メンバーさん達は、話し言葉が苦手です。
御自身からは発語がない方が多く、不安な気持ちやストレスを抱え込みがちです。それが積み重なると、ぶつけるように自身を叩き傷つけられる方もおられます。
別の方にはお茶を飲むときもトイレに行くときも誰かの介助が必要になるけれど、本当の気持ちを上手く伝えられずにおられるときがあります。
重度知的障がいとか自閉症と診断されたメンバーさん。この方達は先の見通しがもちにくく、急な変更が苦手だったり、その人なりのこだわりの行動が強い方もおられます。人によって「問題行動」を伴うとされていますが、私たちはそうは捉えていません。周囲の人にとっての「問題な行動」は、実は本人も困っていて生じているのだと解釈しています。
ですから私たちは、困りごとの背景に何があるのか原因を探り、個々人それぞれにあわせた配慮を行なっていきます。私たちの側に合わせてもらうのでなく、私たちがメンバーさんに歩み寄るのです。

歩み寄ること。それは話し言葉に依らない視覚的な伝え方の工夫かも知れません。一人でリラックスできる場所の用意かも知れません。またはご本人が意欲を持って取り組める活動や時間の準備かも知れません。こうした個別の配慮を徹底するために、ご家族からお話を伺い、担当者間で連絡を取り合います。ときには前夜の睡眠時間や24時間の水分摂取量も情報共有していきます。さらには支援計画書とモニタリング、ケア会議に集まって話し合っていく仕組みもあります。
・・でも、ここでは難しい話しは置きましょう。簡単に言えば私たちはメンバーさんたちのことが好きなのでしょう。全ては一瞬の笑顔のために。それが原点だと思っています。その人が輝いて人生を歩まれることが、支援者たる私たちの活力の源でもあるのです。「さあ今日も名もない最高の一日をつくろう」そんな想いを大切にしています。